食事から栄養を摂る
「肌のために食事は大切」と考えている女性はたくさんいます。ところが「時間がない」「面倒くさい」などの理由で、ついテイクアイクアウトの食事で済ませてしまい、足りない栄養をサプリメントなどで補おうとする人も多いようです。
私たちの肌にはビタミンだけでなく、ミネラルや各種微量元素など、無数の複雑な栄養素が必要です。それらをすべてサプリメントで補うことはできません。また、サプリメントと天然の栄養素は、まったく同じではありません。
手軽に摂れるサプリメント補助的な栄養源と考え、自分の肌と体に必要なものは、なるべく自分で手をかけて食べましょう。
美肌のための食事ポイント1
1日1回は和食を摂る~炭水化物ばかりの食事は禁物。栄養がかたよるし、太りやすい
食事を気をつけている人の中には「コンビニでお昼を買うときに野菜も1品つけるようにしている」「ランチのパスタにサラダをプラス」なども「気をつけている」に入るようですが、はたしてそれでよいのでしょうか?
野菜でも、お惣菜などの調理して時間がたつたものはビタミンが壊れています。また、サラダなどの生野菜は、ビタミンの少ないものがほとんどです。
さらに、若い女性にありがちなのは、炭水化物にかたよった食事です。
パスタなどの麺類や、パンとおにぎりを買ってランチにする、などは炭水化物ばかりです。炭水化物は太りやすいうえに、美容によい栄養素をあまり含みません。
緑黄色野菜と、タンパク質(肉や魚)をきちんと摂るととが大切です。
それには、麺類やパンよりご飯食、つまり和食がよいのです。1日3回バランスよくすることも難しいですが、せめて1日1回はバランスよい和食を摂るように心がけましょう。
美肌のための食事ポイント2
野菜から抗酸化物質などを摂る
ビタミンエースを含む緑黄色野菜を1日100g摂ろう
炭水化物にかたよらない、バランスのよい食事をするためには、野菜を賢く摂るととが大事です。なかでも、抗酸化物質を含む野菜に注目しましょう。
酸化=老化。体内では常に活性酸素が発生し、それが細胞やDNAを傷つけ、老化が進みます。それを防いでくれるのが、抗酸化物質です。
人聞はもともと抗酸化力のある酵素等を休内にもっていますが、年齢とともにそれらが減少していきます。それを食品で補うことは、老化防止になります。
食事から抗酸化物質そのほかの栄養を毎日賢く摂るための、ポイントを挙げてみます。今日から取り入れてみましょう。
ビタミンエースを摂る
ビタミンA・C・Eはビタミンエースと呼ばれ、抗酸化力の強いビタミンです。
ビタミンA・C・Eを多く含む食品」を参考に、積極的に摂取しましょう。
ビタミンAを多く含む食品
かぼちゃ、チンゲンサイ、人参、パプリカ、ブロッコリー、小松菜、ほうれん草 など
ビタミンCを多く含む食品
パプリカ、ピーマン、カリフラワー、レンコン、ブロッコリー、ジャガイモ、キャベツ
ビタミンEを多く含む食品
アボガド、かぼちゃ、モロヘイヤ、アーモンド
ビミンCは果物からよりも白い野菜から摂る
ビタミンCは果物から摂るものと思っている人もいるようですが、果物は体を冷やすし、糖分が多いのも気になります。白い野菜にビタミンCが豊富なので、なるべくそちらを摂りましょう。とくに、
れんこん、じゃがいも、カリフラワーなどがおすすめです。
緑黄色野菜100g、淡色野菜200gを毎日摂取する
おおよそ、この量の野菜を1日に摂るとよいといわれます。ビタミンA・C・Eはとくに抗酸化力が高く、それらを摂るために毎日意識すべきが緑黄色野菜です。そのほか、きのこ、海草、豆、根菜なども忘れずに。
テイクアウトを利用する場合は
コンビニなどで売られているテイクアウトのお惣菜の中におひたしなどもありますが、調理して時聞がたつているものはビタミンが壊れているうえに防腐剤なども心配です。
どうしてもテイクアウトを利用する場合は、その場で調理しているお弁当屋さんなどのほうがベターです。
アブラナ科の野菜に注目!
アブラナ科の野菜は抗酸化力がとくに強いといわれます。かぶ、小松菜、キャベツなどがアブラナ科のものですが、なかでもブロッコリーは抗酸化物質が豊富です。
お茶も利用する
ローズヒップティーやハイビスカスティーにはビタミンCが豊富です。同じハーブの一種でエキナセアも抗酸化力が強くおすすめです。ペパーミントとブレンドすると飲みやすくなります。
すくに食べられるヘルシーフードを常備する
納豆(カルシウムとイソフラボンが豊富)、のり(ビタミンAが豊富)、ドライフルーツ(ブルーペリーやクランベリーなどのベリー類はとくに抗酸化力が高い)などを家に常備してみてはいかがでしょう。
美肌のための食事ポイント3
温野菜を食べる
簡単でおいしい!
温野菜レシヒをマスターしよう
生野菜のほうがビタミンが壊れなくて吸収がよいといいますが、生野菜は体を冷やしますし、量がたくさん摂れません。
また、生で食べるような野菜はビタミン豊富とはいえないものが多いようです。短時間で加熱するよう工夫して、極力温野菜を摂りましょう。
「温野菜を摂ろう」と聞くと、「だしをとって和風の煮物を作る」ということを思い浮かべて尻ごみしてしまう人が多いのですが、そういう意味ではありません。大半の野菜は軽く火を通せば食べられるので、それでよいのです。
美肌のための食事ポイント4
ビタミン剤や野菜ジュースだけに頼らない
野菜のビタミンと比べるとビタミン剤は体への吸収が悪い
「野菜を十分摂っていない」という後ろめたさから、つい手を出したくなってしまうのが、ビタミン剤ですね。でも実際、ビタミン削は、野菜の代用になるのでしょうか?
ビタミン剤は野菜等に含まれるビタミンよりも吸収が悪く、多くは数時間以内に尿から排出されます。ビタミン剤を飲むと尿が黄色くなりますが、野菜をたくさん食べても尿は黄色くなりません。やはり天然のものから摂取するべきだということがおわかりでしょう。
また野菜には、ビタミンだけでなくポリフェノールなどの抗酸化物質も含まれており、老化を防いでくれるのです。
「野菜を食べる代わりに野菜ジュースでもよいのでは?」と、思う人も多いでしょう。野菜ジュースとして缶やパックで売られているものは、腐敗を防ぐために一度殺菌されていますが、高温で処理するため、かなりのビタミンが壊れてしまいます(それを補うためにビタミン剤を添加しているものまであります)。
自分で野菜ジュースを作れば、生の野菜を摂っているのと似たようなことになりますが、ただミキサーにかけるときに空気に触れることで、かなりビタミンは壊れてしまいます。また、体を冷やすデメリットもあります。
旅行先などでどうしても野菜、が十分摂れない場合は、青汁を携帯することをおすすめします。フリーズドライになっているものがあり、溶かさなくてもそのまま飲めます。野菜ジュースよりは青汁のほうが効率的にビタミンが摂れ、また抗酸化力も高いのです。
ビタミン剤は万能の救世主ではない
「なんとなくビタミン剤」は正しいか?
肌があれて困ったとき、真っ先に頭に浮かぶのは「ビタミン」という人が大半です。まるでビタミンは、肌の救世主のように思われています。
ビタミン剤を飲む人の理由として「とりあえず飲んでいると安心だから飲む」という場合が多いようです。でも、肌があれている原因をきちんと探さないで、ビタミン剤にばかり助けを求めて本当によいのでしょうか?
ビタミン剤に関する認識として、間違っていることを挙げてみます。
×ビタミン剤を飲むと、肌がきれいになる。
×ビタミン剤はたくさん摂つでも無害。
ビタミン剤はあくまで脇役
ビタミンとは、体内で起乙る各種反応を助ける働きをもっ、補酵素のことをいいます。さらに「体内で合成されないもの」ということも、定義のひとつです。
反応を助けるものですから、勝手に反応を起こしたり、どんどん進めたりするものではありません。あくまでもビタミンはお助け役です。それを忘れないようにしましょう。
たとえば、パスタをゆでるときに必要なものは何でしょう? 通常はたっぷりの湯に塩を入れてゆでますね。ビタミンは、ここにおける湯の役割だと思ってください。
もちろん、湯がまったくないとゆでられませんが、適度にあればよいのです。湯は少ないよりはたっぷりめのほうが歯ごたえよくゆであがりますが、あまりたっぷりすぎても意味はありません。足りなくなければよいのです。
肌があれたときに、とりあえずビタミンばかりたくさん摂るのは、パスタの仕上がりがいまひとつだったときに、とりあえず湯ばかり増やすようなものです。湯が不足気味だった場合にはそれも意味がありますが、そうでない場合には湯を増やしても結果はよくならないでしょう。
「湯が足りないと、おいしくゆであがらない」というのは事実ですが、だからといって「湯を増やせば、今よりおいしく仕上がる」ということにはなりません。「ビタミンが足りないと肌があれる」というのは正しいのですが、「ビタミンを摂れば肌がよくなる」とは限らないというのは、そういうととです。
「とりあえずビタミン」ではなくて、肌があれる原因をきちんと考えないといけないのです。実際にはビタミン不足よりも不規則な睡眠のほうが、肌あれの原因として圧倒的に多数派です。
*酵素とは、ある化学反応をスムースに進める物質のことです。酵素がないと、反応は起こりません。補酵素はさらに、その酵素の働きを助けるものです。酵素や補酵素のどれが欠けても反応は起こらないのでそれぞれに重要ではありますが、反応の主役をなす物質ではありません。また、過剰に加えたからといって反応がいくらでも進むというものでもありません。
**ビタミンは体内で合成されないものを指すというのが原則ですが、実際には合成されるものもビタミンと呼ぶことがあります。たとえば、肌にとって重要な物質であるビオチンは、ビタミンHとも呼ばれますが、腸の中で合成されています。
ビタミン剤の摂りすぎは有害になるととも
つぎに、ビタミン剤は無害かどうかですが、ビタミン剤による有害作用の可能性はいくつか報告されています。
ビタミンEサプリメントの摂りすぎが有害である可能性の報告や、水溶性だから無害だといわれるビタミンB6による薬剤性光線過敏症の報告もあります。
また、ビタミンBは水溶性で尿中に排池されますが、汗からも排池されます。
そのため、ビタミンBを飲むと汗からすっぱいにおいがして、体臭の原因になるととが。とくに女性の場合は、おりものににおいがつくとともあります。
ビタミンCも摂りすぎると、尿路結石のリスクが高まります。
葉酸(ビタミンBの一種)のサプリメン卜の摂りすぎは、大腸がんのリスクを高めるという報告も最近増えています。ほかに、ビタミン剤ではないですが、CoQ (コ工ンザイムQ)のサプリメントは心疾患のリスクを高める可能性が報告されています。
旅行などで野菜を摂るのが難しいときにビタミン剤を飲むことは、悪いこととはいえません。ただし、漫然と飲み続けるととはやめましょう。
ビタミンは欠乏しているのか?
ところで、実際に私たちの体にビタミンは不足しているのでしょうか?
つまり、パスタの湯は常に不足気味なのでしょうか?
現代の日本の食生活で、健康成人においてビタミンが本当に欠乏することはあまりありません。野菜を食べなくても肉や魚にもある程度ビタミンは入っており、知らないうちに授取しているからです。
つまり、明らかにゆであがりの味が落ちるほど、もしくはゆでることができなくなるほどパスタの湯が不足している人はほとんどいません(ある種の病気をもっている人は別です)。
日本人に比較的欠乏しやすいのはビタミンB1で、とくに酒豪の人には、まれですが欠乏症が見られることがあります(アルコールなどの糖質を代謝する際にB1が消費されるからです)。
これは神経系の調整に働くビタミンで、不足すると神経炎を起こしたり、ひどい場合は脚気(かっけ)になリます。ただし、これは肌あれとはまた別の話です。
美肌のための食事ポイント5
肉または魚を毎日摂る
タンハク質は肌のもとになる栄養素
肌はタンパク質でできています。
表皮はケラチン、真皮はコラーゲンやエラスチンというタンパク質が主成分です。ダイエットなどで肉や魚を摂らない生活が続くと、タンパク質が不足して肌老化を促進します。
女性は、「お肉とかの脂っこいものは避けています」という人が多いのですが、すべての肉が脂っこいわけではないのです。バラ肉や霜降り肉などは脂っこいですが、赤身肉や皮を除いた鶏肉などは脂っこいものではありません。
低脂肪の肉や魚は、良質なタンパク質が豊富で、GI値の低い、太りにくい食品です。むしろ菓子パンやパスタなどのほうが、脂っこくて太りやすい食べものです。
肉か魚のどちらかを毎日100gくらいは摂りましょう。「豆腐や納豆などの大豆食品からタンパク質を摂ればよいのでは?」という人もいますが、それだけでは十分とはいえません。
ただし、タンパク質がコラーゲンのもとになるからといって、これをたくさん食べればシワが消えるなどというものではありません。不足しないように摂ればよいのであって、それ以上摂っても意味がないということは、ビタミンと同じです。
摂ったコラーゲンはそのまま肌のコラーゲンにはならない
コラーゲンはタンパク質の一種で、アミノ酸が長くつながってできています。
食べたり飲んだりしたコラーゲンは胃や腸でアミノ酸に分解されて吸収されます。コラーゲンのまま吸収されることはありません。
バラバラに分解されたアミノ酸は、体のいろいろなととろでいろいろなタンパク質に再構築されます。筋肉や骨の中にもコラーゲンそのほかさまざまなタンパク質があるので、そちらに使われるとともあり、必ずしも肌のコラーゲンとして使われるというものではありません。
そのため、あなたがたとえ肌に使ってほしいと願ってコラーゲンを飲んだとしても、その通りにはいきません。使い道を決めるのはホルモンなどの指令物質だからです。
たとえば、あなたが税金を10万円払ったとして、それを保育園の建設に使ってほしいと願っても、必ずしもそうなるとは限らないのと同じです。10万円はいったんバラバラになってほかのお金と混じり合い、道路や公共施設などのさまざまなところで使われます。
それを決めているのは政府であり、あなたの願い通りにいくというものではないですね。
さらに、飲んだコラーゲンから生じたアミノ酸は、すべてがタンパク質の原料として使われるわけでもありません。一部は糖や脂肪に変わります。つまり、コラーゲンを飲みすぎると、余分なものは脂肪に変わってしまうこともあるのです。
コラーゲンとアミノ酸
アミノ酸がいくつかつながってペプチドとなり、それがさらにつながってコラーゲンなどのタンパク質を形成しています。食べたタンパク質やサプリメントとして摂ったコラーゲンは、胃酸でまずペプチドに分解され、小腸でさらにアミノ酸に分解されてから吸収されます。体内のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、そのうち9種類は体内で合成されないため、食事から必ず便る必要があります(必須アミノ酸と呼ばれます)。
美肌のための食事ポイント6
水分はのどが渇いたときに温かいものをゆっくり飲む
「水分は1日2リットル飲むべき」神話に惑わされないで
「水はl日2リットル猷むべきだ」などという話がありますが、どのくらい摂るのがよいのでしょう。
実は、あまり意識する必要はないのです。人間にはのどの渇きというすばらしいセンサーがあり、水分が必要なときはどうしても摂らざるをえないようにできているからです。
血液中の電解質の濃度は常にモニタリングされていて、水分が足りないと、すなわち血が濃くなってくると「のどが渇いた、水を飲め」という指令が出るのです。
のどの渇きは、ある意味で空腹よりも我慢できないものがあります。
それは水分が人間の生命維持に重要なものだからです。食べ物のように脂肪として蓄えることができないので、不足すると、つまり脱水になると即座に命にかかわってきます。そのためのどが渇くと本能的に激しく水を欲するようにできているのです。
しかし、逆にいうと、のどが渇いていないときは飲まなくてよいということになります。1日2リットル飲んだほうがよいなどというのは俗説です。動物は、1日何リットルなどということは何も考えておらず、ただのどが渇いたときに飲んでいますが、それで病気になるわけでもなく、不都合はありません。人間も基本的にはそういうやり方でよいのです。
その日に食べたものや発汗量で必要な水分量は変化する
そもそも水分の必要置は、日によってまったく違ってくるはずです。
気掘が高い日や運動した日は汗をかくからそのぶん水分が必要になるでしょうし、また食べ物によっても違ってきます。
塩分やアルコールを摂ると、それを排出するために水を使うのでのどが渇きます。また食品中の水分によっても違ってきます。
野菜や果物などは80~90%が水ですから、たとえば、リンゴを2分の1個食べれば100ml近く水を飲んだのと同じことになります。そういう因子をすべて無視して毎日2リットル飲むというのは、いかがなものでしょう。
水分の正しい摂り方は、のどが渇いたときに温かいものをゆっくり飲むということです。冷たいもののがぶ飲みは、つい飲みすぎになりますし、体を冷やすのでいけません。
なお、エアコンのきいた室内など、空気の乾燥したところでは水分を多めに摂らなければいけないと思っている人がいますが、そういう必要はありません。人間は、部屋干しの洗濯物みたいに湿度が低いからどんどん乾いてしまうというものではないからです。
人間の肌からの水分蒸発は、セラミドなどによってコントロールされています。セラミドがきちんと機能していれば、湿度がO%になっても水分はキープされています。
結局、「のどが渇いたときに水分を摂る」ということが常に鉄則であり、部屋が乾燥しているかどうかはあまり関係ないのです。
「空気が乾燥していると口が渇く」という人がいます。しゃべる仕事をしている人などに多いのですが、そういう人は、うがいをするようにしましょう。口が渇くたびに水を飲むと、飲みすぎになるかもしれません。
また、乾いた部屋の中で肌が乾燥するからといって水を飲んでも、肌のうるおいにはなりません。飲んだ水がそのまましみ出して肌の水分になるわけではないからです。
Q&A
水と肌について
Q1
水を飲なと肌がきれいになるの?
A1
「水を飲むと毒素が出て肌がきれい民なる」という話がありますが、それは俗説です。
水で洗い流せるほど入間の体は単純にできてはいないですし、汗から毒素が出るわけでもありません。
水を飲んで汗を出せば毛穴の掃除になると思って半身浴などする人がいますが、それも難しいものです。
毛穴は皮脂腺であり、汗を出す汗腺とは別の穴だからです。
また、肌の代謝と水分代謝を混同している人もいます。「シミができやすいのは肌代謝が悪いからでは?」という入がいて、それは正しいのですが、その解決策として水を飲むというのは間違いです。
肌の代謝はターンオーバーすなわち表皮細胞の生まれ変わりです。20代のころには約4週間ですが、40代に入ると6週間ほどかかるようになってしまうといわれますが、このようにターンオーバーが低下する原因はおもに、成長ホルモンが減ることや血行が悪くなることなどです。水は直接関係ありません。
水を飲んでも肌代謝は上がりません。肌代謝を上げたいのであれば、ピーリングをするという方法を選びましょう。
毛穴にたまった汚れも体にたまった毒素も体脂肪も、なんでも水が洗い涜してくれるように考えてしまいがちですが、そう単純なものではないのです。
Q2
水はたくさん飲んでも大丈夫?
A2
水はいくら飲んでも無害だといわれますが、そうでもありません。
余分に献んでも排世されるといいますが、それはある程度の量までです。尿から排出できる量にも限界がありますので、どんどん飲みすぎると排池しきれずに体にたまって、むくみや冷えの原因になります。つまり、水分をたくさん摂ることは、代謝アップどとろか代謝ダウンにつながるのです。
また、水分を摂りすぎると胃液が薄まって、胃もたれや吐き気の原因になることがあります。
ただし、高齢になるとのどが渇いたという感覚が鈍くなるので、ある程度意識して飲んだほうがよいという場合もあります。
水分を適量摂れているかどうかは、尿の状態で測りましょう。尿量の基準は、1日に6~8回程度は排尿があること、1回の尿量が2OOml以上あること、というのがひとつの目安です。また、尿の色が濃ければ脱水気味ですので注意しましょう。反対に薄い尿が頻繁に出るときは、水分の摂りすぎです。
Q3
汗を出すためにも水は飲んだほうがいいの?
A3
水をくさん飲んでも汗は増えません。水を飲むと尿が増えますが、汗は増えないのです。
あくまでも汗はおもに体温調節のためにあるのです。暑いときにたくさん出ますし、また緊張で出る人もいます。
あなたは、汗をダラダラかいている人を見たときに、どう感じますか? 「暑いのかな?」「緊張しているのかな?」と思うでしょう。「この人、さっき水飲んだのかな?」とは思いませんね。でも、一緒にいるお友達が頻繁にトイレに行ったら、「水分摂りすぎなのでは?」と思うでしょう。このことからもわかるように、水をたくさん飲むと増えるのは尿であって汗ではないのです。
汗を出すことにあまり美容上のメリットはありませんが、それでも出したいという人は、運動をして汗をかく訓練をしましょう。水をたくさん飲むことは、汗出しの訓練にはなりません。
栄養ドリンクって何?
仕事がハードなときなど、「栄養ドリンクでも飲んで頑張ろう!」という人がいます。栄養ドリンクと呼ばれる飲み物には、何が入っているのでしょう。
もちろん商品によって異なりますが、一般的にはブドウ糖、ク工ン酸などのすぐにエネルギーに変わる物質に、ビタミン類や目覚ましのためのカフェイン、タウリン(魚介類から取る肝機能改善剤)などを加えたものです。
吸収がよいので疲労回復に即効性があるかもしれませんが、もちろん回復したような感覚になるだけで、本当の疲労回復のためには休養が必要です。薬で疲労は消せません。
また、風邪のときなどに「元気をつけなきゃ」といって栄養ドリンクを飲んでいる人がいますが、薬ではないので風邪を早く治してくれるものではありません。
疲れていても、風邪気味でも、どうしても働かなければならないときについ栄養ドリンクに頼ってしまいたくなる気持ちはわかりますが、疲れがとんだような「錯覚」を起こしてしまうのも危険です。つい無理をしてしまい、風邪をこじらせる危険性もあります。
また、注意すべきはこれらに含まれるカフェインです。栄養ドリンクのすべてにカフェインが含まれているわけではありませんが、中には高容量のカフェイン(コーヒーの10倍以上)を含むものもあります。カフェインを常用すると、依存症などの副作用を引き起こすととがあります。
栄養ドリンクは薬ではなく、成分的には必ずしも体にプラスになるものばかりとはいえないのです。カフェインで無理やり目を覚ますなどは、弱った体に鞭打つような行為です。あまり深く考えないで、「気分で」栄養ドリンクを飲んでいる人が多いようですが、もう少し慎重になるべきです。
眠くて仕事に集中できないときは、10分でもよいから仮眠をとるのがベストです。それができないときは、軽いストレッチや深呼吸、顔のツボ押し(目のまわりなど)をしてみましょう。ガムをかむ、歯を磨くなども目覚ましになります。いくら仕事の締め切りに追われていても、結局体力というものには限りがあるのですから、そのくらいにとどめたほうが身のためです。
ホブドウ糖、クエン酸
疲労回復に即効性があるといわれていますが、それはどうしてなのでしょう。食べた物は、体の中で分解されてエネルギーに変わりますが、その際、最終的にブドウ糖になり、さらに細胞の中でクエン酸になってエネルギーとして燃焼します。
ブドウ糖やクエン酸を飲むと、分解の過程を省略できるために素早く燃焼します。疲れたときに甘いものを食べると楽になったように感じるのはこのためで、砂糖も素早くブドウ糖に変わる物質なのです。でも、これは体の疲労を回復させたわけではありません。疲労物質は体内に蓄積したままで、それをブドウ糖などが掃除してくれるわけではありません。あくまでも錯覚のようなものです。
焚き火にたとえていうと、火が弱くなった焚き火に、灯油などの燃えやすいものをかけているような行為です。火は一瞬盛んになり、勢いを回復したように見えますが、薪を足しているわけではないのですぐにまた弱まります。
残りわずかな薪を燃やし尽くしてしまい、かえって早く消えてしまうでしょう。糖質は肥満の原因にもなりますし、ほどほどにしておきましょう。
カフェイン
神経興奮作用、血管収縮作用があります。摂りすぎると依存性を生じ、禁断症状として震え、冷や汗、頭痛(力フェイン禁断性頭痛)などを生じるととがあります。
また、妊娠初期にカフェインを摂ると(コーヒーにして1日2杯以上)、流産のリスクが高まるという報告もあります。日本人はカフェインに対して非常に無頓着ですが、摂りすぎは危険です。