「洗う」「保湿する」ことが毎日必要な最低限のスキンケアです。
洗うのに必要なのはクレンジングと洗顔料、保湿するのに必要なのは美容液。
この3種類の化粧品があれば最低限、肌を守ることが出来ます。
顔とボディを正しく洗って保湿するための基本に加え、男性のためのスキンケアの方法なども紹介します。
クレンジング
クレンジングは必要悪なのか?
やりすぎると肌あれに
メイクを落とすクレンジングは、日々のスキンケアの中では一番肌に負担をかけるものです。
メイクという人工的に肌につけたものを、落としゃすくするのがクレンジングの役割です。最近のメイクはくずれにくく進化していますので、普通の洗顔だけでは落ちません。
それを浮かせて落とすために、クレンジングにはさまざまな洗浄成分が配合されています。つまり、洗顔料よりもクレンジングのほうが洗浄力が強く、やり方によっては肌のうるおいも奪うということにつながります。
できれば、メイクしないでクレンジングもしないほうが、肌への負担は減らせます。でも、見た目だけの問題でなく、紫外線などの外的刺激から肌を守るためにもメイクは必需品です。そういう意味ではクレンジングは必要悪であるともいえます。
だからこそ、少しでも肌に負担をかけないクレンジング方法を選択することが重要になってきます。
クレンジングしないと肌はどうなるの?
肌にのせたファンデーションは、1日たつと皮脂やホコリと混じり、汚れに変わります。それを無理なくきちんと落とすことは、美肌づくりの大切なステップです。
メイクした日はクレンジングと洗顔のツーステップ「ダブル洗顔」が必要です。ただし、軽いタイプのパウダーファンデーションもしくはフェイスパウダーだけなど、とても軽いメイクのときは、石けん洗顔だけでも大丈夫です。なお、クレンジングなしでメイクを落とせるワンステップの洗顔料もありますが、それらの多くは洗顔料に界面活性剤を配合し、クレンジングと洗顔料の両方の機能をもたせたものです。肌にやさしいとはいえません。
クレンジングの選び方
クレンジングの中身は?
肌にとって負担の少ないクレンジングを選ぶためには、まずは、クレンジングとはどのようなものかを知ることが大事です。
クレンジングは油分+界面活性剤
クレンジングの基本成分は、油分+界面活性剤です。界面活性剤の強弱で、クレンジングの強弱は決まります。
クレンジンク(メイク落とし)のプロセス
1、メイク(油性汚れ)を油分で浮かせる。
2、水道水で流すために界面活性剤で乳化する。
3、乳化したメイクは水と混ざり、流れ落ちていく。
クレンジングを選ぶときの3つポイント
クレンジングの性質を知ったうえで、本当に肌にとってよいクレンジングを選びましょう。そのためのポイントを3つ紹介します。
ポイント1
油分と界面活性剤のバランス
界面活性剤の強すぎないものを
クレンジングを選ぶ際に、まずチェックしなければならないのは油分の量です。
油分が少ないと、油でメイクを浮かせることができないので、当然、落ちは悪くなります。その分の洗浄力を補うために、界面活性剤が多く必要になります。反対に油分が多すぎても、その油分自体を落とすために多量の界面活性剤が必要になります。
つまりは、油分が多すぎず少なすぎず、ほどほどのものがよいのですが、ほどほどとは、どの程度をいうのでしょう。
簡単にいうと、メイクの油分と同程度のものがよいといえます。似た者同士、すんなり混じるから、落ちやすくなるわけです。
実際に売られているクレンジングのタイプで見てみると、油分の多いほうから順にオイル、クリーム、乳化ジェル(透明でなく、乳化してある白いジエル)、ミルク、フォーム、透明ジエルおよびリキッドとなります。
油分量がメイクに近いものはどれでしょう。オイルタイプでは多すぎますね。ミルクタイプは水分が多いし、リキッドタイプは油分をほとんど含みません。
つまり、メイクに近い性質をもち、ほどよい油分を含んで混じりゃすいのは、クリームタイプか乳化ジエルタイプです。
オイルタイプとリキッドタイプは、界面活性剤が多めのものがほとんどです。ミルクタイプはやさしいイメージで人気ですが、要するにクリームを水で薄めるとミルクになるわけです。水が多いので、メイクは浮かせにくくなります。それを代償するために界面活性剤が多いものもあり、やさしそうに見えて案外食わせものです。
ミルクに「やさしい」イメージがあるのは、赤ちゃんのときに飲んでいたミルクを連想するという、人聞の本能かもしれませんが、母乳とクレンジングは違います。
泡で出てくるフォーム状クレンジングというものもありますが、これも水が多く、ミルクタイプのクレンジングと同様の問題を抱えることになります。
ポイント2
肌への摩擦
過度な硬さのあるものを
次に考えないといけないのが、肌への物理的刺激、つまり摩擦です。
クレンジングの際に肌をこすると、いっそう肌が傷みます。洗剤をすり込んでいるようなものだからです。
摩擦を与えないためには、ある程度の硬さが必要です。オイルやリキッド、ミルクタイプはみな液状ですから、指と肌の間でクッションとなりにくいため、当然肌への摩擦が強くかかります。これも硬さがあってバランスがよいのはクリームかジエルです。
もっとも摩擦が強くかかるのは、ふきとりタイプやシートタイプです。
ポイント1と2を総合して考えると、クリームか乳化ジェルがベストですが、どちらのタイプであっても商品によって、刺激の強さはいろいろです。自分の肌で試して選ぶことが必要です。
ポイント3
価格
極端に安いい物は要注意
最後にチェックしたいのが、価格です。クレンジングは安価なものですませる人が多いようですが、もう少し慎重になってみましょう。クレンジングは日々のスキンケアの中では肌に与える負担が比較的大きいものです。極端に安価なものは避けましょう。
結論
クレンジングはクリームか乳化ジェルタイプを選ぶ
以上の3つのポイントから、肌にとってもっともよいクレンジングは、クリームタイプか乳化ジエルタイプで、価格は2千円以上のものが安心して使用できる基準となります。
ただし、もちろん製品によってばらつきはありますから、たとえば「クリームであればなんでもよい」ということはなく、使いながら肌の状態をよく観察して、合っているか確かめながら使うことが大切です。
クレンジングの方法
多めのクレンジングを使い40秒以内に終わらせる
クレンジングをするときにもっとも大事なことは、汚れをしっかりと落としながらも、肌への負担を最小限にすることです。そのためには、以下のプロセスで行う、40秒クレンジング法をおすすめします。
クレンジングが肌に触れている時間が長いと、どんどん肌のうるおいが溶け出していくため、手早く終わらせることがとても大切になります。
顔の中で比較的丈夫なTゾーン(額から鼻にかけて)からクレンジングを始め、つぎにUゾーン(頬やアゴなど)、そして最後に皮膚の薄い目もとと口もとをクレンジングします。