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美肌を目指すなら!知っておきたい皮膚の仕組み

けいこ

皮膚は体全体を覆っていて、外からの刺激などから体を保護する働きを持っています。
体の表面にあるので常に外気や外部からの刺激にさらされていて、それらの刺激に反応してしっかりと活動している生きた臓器で、もっとも大きい臓器ともいえます。

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織という3層に分けることができます。
表皮は皮膚の表面で体を守る働きがあります。常に外部の刺激に晒されている表皮の奥では、絶えることなく細胞分裂が行われ、古い表皮は垢となって体から離れていきます。この働きによって、表皮が傷ついても比較的早く修復が行われるので、体を守るための機能としてとても優れています。

表皮の一番表面にある角質層には、外部の刺激から体を守るバリア機能があるので、さまざまな液体などを触っても、体の中に浸透してくるということはありません。

真皮は表皮の下にある層で、表皮と真皮は基底幕という薄い膜によってつながっています。
真皮は、コラーゲン線維とエラスチン線維が網目状の構造となって出来ていて、ゴムのような弾力があり、体を動かしたときの伸び縮みに柔軟に対応できるようになっています。
また、真皮は細胞ではなく、おもに線維と基室でできているため、細胞分裂で生まれ変わるといったことは無く、ゆるやかな新陳代謝が行われています。

真皮の下には皮下組織があり、ここが皮膚の一番内側の層になります。皮下組織の大部分は皮下脂肪でできているやわらかい組織になります。

このように、肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層によってできています。それぞれが違う性質を持っていることを理解しましょう。

目次

表皮

基底層で細胞が作られ、死んで角質層になる

表皮は皮膚の一番外側にあり、厚さ0.2ミリほどのエリアの中に表皮細胞が積み重なってできていて、一番下から基底層、有棘層、顆粒層、角質層に分けられます。お城の城壁のようにぎっしりと細胞が並んでいて、体を守る役割を果たしています。
表皮の一番深い層(基底層)で作られた細胞は、基底細胞→有棘細胞→顆粒細胞と変化しながら押し上げられていき、最後は死んだ細胞である角質細胞になり、一定期間角質層にとどまった後、順次垢となって剥がれ落ちていきます。

生きている細胞と死んだ細胞

表皮の中の基底層、有棘層、顆粒層は生きた細胞で構成されていて、角質層は死んだ細胞で構成されています。
生きている細胞と死んだ細胞では、みずみずしい生きた葉っぱと、散って落ちた枯葉くらいの違いがあります。
生きた表皮細胞は、65%くらいの水分を含んでいるのに対し、死んだ表皮細胞(角質層)は20~30%ほどの水分量なので、生きた細胞はみずみずしくて透明感、生命力があり、角質層は色もくすんで硬くなります。

また、表皮細胞はメラノサイトで常に作られているメラニン色素を細胞の中に取り込んでいます。細胞から水分が抜けるとメラニン色素の黒さが強調されますので、角質細胞は生きている細胞に比べてより黒く見えてしまいます。みずみずしい生のブドウより、乾燥したレーズンのほうが色が濃くみえるのと同じような現象です。

あかちゃんの皮膚の場合は、角質が薄いので透明感があってみずみずしく柔らかいのですが、角質層のバリア機能がしっかりしていないため外からの刺激に弱くなっているので、ケアには注意が必要です。

基底層

表皮の一番下、真皮に接する深いところにある層で、基底細胞が横一列に並んでいます。基底細胞は約20日間かけて細胞分裂が行われ、新しい細胞が生まれます。分裂した細胞の一つは上に押し上げられ、もう一つは基底層に残って次の細胞分裂に備えます。

有棘層

基底層で作られた核を持つ細胞が、多角形の細胞となって10層ほど重なっていて、表皮の大半を占める層です。
細胞と細胞が細胞間橋とよばれる構造でつながっていて、顕微鏡で見ると棘のように見えるのが名前の由来です。

顆粒層

角質層の近くまで押し上げられた細胞の層で、平たい形の細胞が3層ほど重なってできています。角化の過程でタンパク質の顆粒(ケラトヒアリアン顆粒)や線維が増え、細胞は硬くなってきます。

角質層

皮膚の一番表の部分で、死んだ細胞(角質細胞)が10~20層ほどレンガのように積み重なっていて、細胞が死ぬ瞬間に放出された細胞間脂質が細胞同士の間を埋めることにより、潤いが守られています。
押し上げられた角質細胞は、最終的には酵素で分解されて垢としてはがれていきます。

角質層コラム

角質層の厚さは、顔で0.001mmの10層以下の細胞でできています。手足の角質層は50層くらいで顔などに比べてかなり厚くなっています。
タンパク質を分解するのはプロテーゼ酵素という酵素ですが、年齢とともに働きが低下してタンパク質を分解することができずに角質層が厚くなって肌の代謝を妨げる原因となります。そこで、ピーリング化粧品などを適度に使うことによって肌の若さを維持することになります。

表皮細胞以外の細胞

表皮細胞の95%は角化していく(角質細胞に変化する)細胞(ケラチノサイト)なのですが、これとは別に次のような細胞が表皮の中には存在します。

メラノサイト(メラニン細胞)

メラニン色素を作る細胞
基底細胞のうちのおおむね10個に1個のパーセンテージで存在しているわけですが、顔や陰部では分布密度が高まります(そのため、色素沈着になりやすいのが特徴)。日光の紫外線が当たっていないときでも、いくらかのメラニン色素はほとんど毎日作成され、表皮細胞に取り込まれて、最終的にはあかと接して剥がれ落ちます(メラニン色素を含むものですからあかは黒〈見えます)。人種によって肌色は違いますが、メラノサイトの数には違いはないです。
メラノサイトのメカニズムや機能の異なるところが、肌色の違いを生じさせているのです。(黒色とは違い、赤やイエローのメラニン色素も見受けられます)。

ランゲルハンス細胞

表皮内を自由に移動し、免疫をつかさどる細胞。

α樹状細胞

機能ははっきりわかっていないことがたくさんあります。

メルケル細胞

知覚に影響を与える細胞。指先や毛根部はメルケル細胞が多くあるので、感覚が敏感になります。実際、毛をタッチすると、その感覚は非常に敏感に伝達されます。動物は毛で風向きや外部からの刺激を敏感に感知することが不可欠であるからで、猫のヒゲが鋭敏となっていることもそれに当たります。

ターンオーバーとは?約4週間で表皮は生まれ変わる

ターンオーバーは、スキンケアにとって切っても切り離せない言葉ですね。
表皮の新陳代謝を表した言葉で、簡単に言うと「肌の生まれ変わり」です。
表皮細胞は

  1. 基底層で細胞が生まれる
  2. 有棘層、顆粒層の順に約14日間かけて押し上げられる
  3. 角質層で約14日間かけて剥がれてゆく

というサイクルで表皮全体が新しい細胞に置き換わっていきます。表皮細胞の一生ということができますし、肌の新旧交代=代謝となります。
ターンオーバーは4週間(28日)とよく言われますが、どこからどこまでの期間に当てはまるのでしょうか。これについては、表皮細胞が誕生してからあかとなって剥がれ落ちるまでの日数に当たります。
母親のお腹の中にいる(細胞分裂に必要な)19日聞は除外して、14+14で28日となるわけです。
若いうち(だいたい20代まで)は表皮のターンオーバー日数は28日くらいで、年をとるごとにゆっくりとなっていき、40代に入ると40~50日、60代くらいになると100日もかかるといわれています。

そのため、年を取ると代謝の衰えから傷口やニキビなどの吹き出物が治りにくくなったり、痕が残りやすくなったりします。
ターンオーバーを低下させないために、美容クリニックなどではピーリングなどの角質ケアを行い、肌の代謝を促す施術を行ったりします。

肌あれとターンオーバーの関係

私たちの目に見えている肌は、もちろん肌の表面にある質層です。つまり、この角質層が美しいかそうでないのかが、お肌の美しさを決定づける最大のファクターとなります。
美肌をキープすることは、角化を円滑に手際よく継続することといえます。角化はターンオーバー要するに肌代謝そのものだからです。
そのことが阻害されるケースとは、どのようなケースでしょう。

ターンオーバーが乱れる原因

ターンオーバーの第1ステップ、すなわち基底層での細胞分裂は、おもに寝ている間に行われます。寝ている間は、脳の活動がダウンし、かわって休の中で多岐にわたる代謝や修復がなされている時間となります。
つまり、睡眠不足になるとターンオーバーが十分に行われなくなってしまいます。
それが続いていると、角質細胞が順序良く層状に並ばなくなるため、きめが乱れたり、黒っぽくなったりするわけです。
また、角質細胞の大きさが揃わずばらばらな大きさになり、細胞の間にすき間ができるので、肌のバリア機能が低下してしまいます。
これこそが敏感肌です。睡眠不足以外にも、ストレス、栄養の偏りも角化を妨害します。

ターンオーバーが遅くなる原因

老化とともに、ターンオーバーは遅くなります。すなわち、肌の代謝活動が低下するのです。この結果、表皮全体はやせて薄くなり、反対に古くなった角質が分厚く積もります。
表皮が薄くなるとシワが出来やすくなり、さらに角質が厚くなると肌の透明感が失われてくすんでいきます。

ターンオーバーが早まる原因

正常な状態に比べてターンオーバーが早くなるケースがあります。乾癬やアトピー性皮膚炎といったお肌の疾患で、皮脂が炎症を起こすと、こういった現象が認められる可能性があります。
また、こすりすぎなどで角質を強引に剥がしてしまった場合、そこを復元するために角化が早まるのです。
ターンオーバーが早まりすぎると、十分に成熟できていない未熟な角質細胞が上に上がって来ますので、角質層は正常でなくなり、乾燥などを生じさせます。
しかしながら、角質を適度に取りすぎない程度に取れば、ターンオーバーを促進してお肌を若返らせることだってできるのです。その仕組みを利用したのがピーリングです。
従って、ターンオーバーが早まることはある意味若返りに結び付くことも考えられます。

コラム:細胞とは?

生命の最小単位です。細胞膜という膜(植物では細胞壁)で覆われ、内には核をもちます。
核の中にはDNAという塩基の長い鎖があり、遺伝情報が刻み込まれています。死んだ細胞には核が存在しません。
細胞の中にはミトコンドリアが存在していて、呼吸することによって酸素を消費して糖を燃やし、エネルギーを生み出しているのです。

生命の最小単位といわれる細胞は、細胞分裂によって誕生し、将来寿命がくると死にます。身体の中の60兆個の細胞は、このようにして生まれ変わっています。
脳には脳細胞、骨には骨細胞、脂肪には脂肪細胞があり、また、血液中の赤血球や白血球も全て細胞です。ただし、コラーゲンなどは線維なので細胞ではなく、生きているものでもなく、死ぬという考え方もありません。
細胞は、傷ついてもある程度生まれ変わって修復しますが、コラーゲンを傷つけてしまうと生まれ変わることはないのです。正しくないお手入れのせいでコラーゲンを傷つけてしまった場合はシワができ、修復はとても困難になります。

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