「どういうコスメを使うときれいな肌になれるの?」
「肌がきれいになるには、なにを飲んだりするといいの?」
美肌、つや肌になるための近道を知るためには、皮膚全体に関することをある程度把握していなくてはいけません。
それは、皮膚がどうしてできているかという「皮膚の構造」と、肌を扱う上での「スキンケアの基本」などです。
ここでは、さまざまなスキンケア法や、肌のトラブル、皮膚の病気などをきちんと理解するための、基礎知識をお伝えしていきます。
基礎知識!皮膚の7つの働きを解説
皮膚は、体の表面を覆っている皮ですが、当然のことながら生きて活動しています。外からの刺激から守るだけでなく、体の内部を守るためにたくさんのセンサーが働いていて、24時間、365日働き続けています。そのシステムは、セコムやアルソックなんかも顔負けの高度で複雑・精緻なセンサーシステムで、その働きの全ては現代科学をもってしても解明できていません。
ここでは、現在解明されている皮膚の働きのなかから、主な7つの働きを紹介します。
1、バリア機能で保護する
皮膚は大きく分けて3層構造になっていて、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」となります。
それぞれの保護作用をあげてみます。
表皮 ~皮膚を外敵から守る砦~
表皮の一番外側には角質があり、この角質層がバリアの役割を持っていて、様々な外的刺激から体を守っています。
太陽光もこの表皮ではね返したり、散らしたり吸収したりしますが、紫外線(UVA)は比較的透過してしまいます。
表皮が紫外線を浴びると、基底層にある色素細胞(メラノサイト)に信号が送られ、メラニン色素を作りだして紫外線を防いでいます。
また、同じ部分に定期的に一定の刺激が加わると、角質層は厚くなることにより肌の内部を守ろうとする「物理的防御能」がはたらきます。
よく、かかとや肘、膝などの皮膚が厚くなるのも、こういった理由によるものです。
ちなみに、角質表面にる皮脂膜は、つねに酸性を保つことによって、細菌や真菌(カビ)などの繁殖を防いでいます。
真皮 ~皮膚の大部分を占める本体~
表皮の下(内側)にある皮膚のほとんどを占めている場所で、コラーゲンやエラスチンなどの繊維状のタンパク質が肌に弾力と潤いを与えています。
それらの繊維芽細胞に加え、血管やリンパ管、汗腺などがあり、皮膚の本体ともいえる場所です。
皮下組織 ~体の内部を守るクッション~
真皮の下(内側)にあり、大部分が皮下脂肪(脂肪細胞)でできていて、筋肉や骨に強い圧力がかからないよう、クッションの役割も持っています。
2、体温を保つ
皮膚というのは、外の熱を体内に通しにくい性質を持っていますので、夏の暑さや冬の寒さなどから体を守り、急激な温度変化で体調を崩したりしないように調整する役割を持っています。
逆に、運動や病気などで体温が上がると、汗をかいたり毛細血管を開くなどして、体内の熱を外に出すようになっています。
寒い時には、立毛筋を収縮させて体表面を覆う空気層を厚くして体温の放出を防ぎます。この状態を鳥肌と呼んだりします。
3、感覚を伝える
皮膚はすべて外部に接しているので、外からの刺激を伝えるという大事な役割があります。
- 触覚(触っている感覚)
- 痛覚(痛いと感じる)
- 温覚(温かさを感じる)
- 冷覚(冷たさを感じる)
- 圧覚(圧力を感じる)
これら5つの感覚が皮膚表面に分布していて、感覚を伝える末端を感覚点といいます。
一番多い感覚点は痛点(痛覚)で、痛点が100とすると、触点・圧点が25、冷点が12、温点が2というバランスで皮膚上に分布しています。
痛点が一番多いのは、痛みは体の危険を伴うが愛が多いので、なるべく敏感に感じられるように数が多くなっているとされています。
4、不要物を体から排泄する
体に不要になったものや、有害なものを体の外に出す働きがあります。体中にある汗腺や皮脂腺から出る汗によって体の外に排出されたり、二酸化炭素を排泄したりしています。
5、体に必要なものを作る合成作用
太陽などから紫外線を浴びると、表皮はビタミンDを生成します。このビタミンDは骨の生成にかかわる成分です。ただ、過度の日光浴はシミの原因になったりしますので、長時間太陽光線を浴びるのは控えたほうが懸命です。
6、免疫に関わる働き
表皮細胞では、サイトカインという伝達物質を出すことにより、免疫に関する作用があります。
7、吸収する働き
表皮の角質層は、基本的にバリア機能を持っているので外からのものを吸収しにくくできています。ただ、毛穴には皮脂腺があり、皮脂が入っているので水性の物質ははじかれてしまうのですが、油性のものは親和性があるので少し吸収しやすくなります。
ビタミンAやステロイドなどの脂溶性のものが肌から入りやすい成分となります。