「乾燥肌」「脂性肌」というものは単純には分けられない
オイリー肌の反対は乾燥肌ではない
「私はオイリー肌と乾燥肌の、どちらなんでしょう?」と考えられる方がよくいますが、これは正確な質問とはいえません。
スキンタイプはオイリー肌か乾燥肌かに二分されるものではありません。「肌の水分量が多いか少ないか、さらに、油分が多いか少ないか」。水分と油分というふたつの要素を考慮しないとならないので、スキンタイプは4つに分類されることになります。
このように考えると、オイリー肌の反対が乾燥肌ではないことも分かるでしょう。
皮脂の分泌が少なくカサつきの傾向があるお肌を「乾燥肌(ドライスキン)」、皮脂の分泌が多く脂っぽい肌を「脂性肌(オイリースキン)」、と呼んでいます。ドライかオイリーか、肌質のタイプ分けはこの部分が基本です。
加齢による変化とスキンタイプ・ノーマル肌から変化していく
理想の肌というのはどのような肌でしょうか。やはり赤ちゃんから10歳くらいまでの肌が、毛穴も目立たなくて透明感とプリプリ感があって理想の肌といえます。
水分が多く油分が少ないのが特徴で、それを理想の肌ということで、ノーマル肌と呼んでいます。「油分が多いのがオイリー、少ないのが乾燥肌、中聞がノーマル」と考えている人がいるようですが、これは間違いです。
また、「水分と油分がいずれも適度にあるのがノーマル」という風にもいいますが、これもまた正確に言えば間違いなんです。基本は「油分少なめがノーマル」と覚えておくといいでしょう。
20~30代くらいの人が、オイリードライに傾く人が多くなります。そういった理由から、この世代には大人のニキビというような肌トラブルが多くあるのです。そして更年期あたりから、水分・油分ともに減少してきて、ドライに向かいます。
おおまかにいうと、人間の肌は生まれたときにノーマルでスタートし、思春期の時期にオイリー気味になり、20代後半ごろからオイリードライに傾き、更年期近くから乾燥肌に向かいます。
ですので、こちらの4つのスキンタイプをすべて経験する形になります。
ただし、これは平均的なもので、実際のところかなり個人差が見受けられます。
肌質タイプの基本はドライかオイリーか
肌質が人それぞれに異なっていることは殆どの方が分かっているでしょう。にもかかわらず、「これ使えばお肌がツルツルになるんですって」といったように言われると、つい跳びついてしまう人がけっこう多いみたいです。
でも、少しだけ考えてみてください。肌が乾燥してパサパサしている人とニキビができている人が、同じ化粧品で「つるつる」になるでしょうか。そのようなことは不可能ですね。
友だちがきれいになったスキンケアであったとしても、残念なことにあなたの肌にとってもおススメできるとは限らないのです。
スキンケアはお肌タイプにマッチしてはじめて美肌につながるもの。あたりまえのようですけど、自分自身の肌のタイプをしっかりとわからずにいる人というは思いのほかたくさんいるものです。
毎日コツコツとお手入れを行っているつもりであるのに、何だかメイクのノリが良くない、トラブルが無くならないという人は、肌質に対する誤った考えが原因ではないでしょうか。
混合肌という肌質とは、ほとんどの人の肌がオイリーやノーマル、ドライの部分を合わせもつ
部分的にオイリーで、部分的にドライとなっているような肌を指して混合肌と呼んでいますが、人間の肌は顔中すべて同じような肌質ということはあまりなくて、ほとんどの人にオイリー気味のところとドライ気味の部位があります。そういった意味でいえば、ほとんどの人が混合肌です。
顔中すべてオイリーとかすべてドライというような人も少数派ながらもいますが、そういった人以外の人はみな混合肌ということになります。
上記の4つのスキンタイプを幾つもの組み合わせでもっているのが人間の肌です。例えば、額はオイリーで頬はドライ、額はオイリードライで頬はノーマル、などといった感じです。
Tゾーンはテカテカでも、頬は力サつく人もかなりいる
自分の肌を把握するためには、部分ごとに状態に差があるということを理解したうえで、よく見きわめることが重要です。見た目で、Tゾーンの脂うきが目立っている人であっても、さらによく見ると、目の周辺がカサついていたりとか、頬の乾燥に気がついたりすることもあります。
この様にして部分部分を観察してみれば、くすみや黒ずみ、シワ、むくみ、ハリがないというようなコンディションが見えてきます。美肌を望むなら、そのようなゾーンごとの状態を見極めて、それぞれにマッチしたお手入れをすることが大事になります。
本当はみんな「混合肌」顔じゅう同一ケアだとうまく行かない
自分の顔を指でさわってみると、どこも同じように乾燥していたりとか、同じように脂ぎっているというような人はほとんどいないはずです。じつは、ほとんどの人はドライな部分とオイリーな部分が混在する「混合肌」なのです。
にもかかわらず、多くの場合は自分の肌が乾燥肌か脂性肌のいずれかだと思い込んでいるのです。どうも自分が気にかかる部分を基準に、肌のタイプを決めたがる傾向があると思われます。
そして、顔じゅう全て同じように化粧品を使っていれば、肌トラブルも起こりやすくなります。
スキンタイプはゾーンごとに判断する
皮脂の分泌量はほんとうは部分ごとに異なるもの
肌の状態を自分自身でチェックしようとすると、鼻の頭や額がテカテカしているとか、ほおがカサついているというような状態が何よりも気になるでしょう。
テカリやカサつきは、皮脂の分泌量の違いからくるものです。そして、ひとりの顔の中にあっても、ゾーンに応じて皮脂の分泌量がたくさんあるところと少ないところが存在しています。
ほとんどのケース、Tゾーンといわれる、額から鼻すじにかけての部分は分泌量が多く、頬や目の周辺は分泌が少ないのです。また、Tゾーンの中であってもそれぞれのゾーンで皮脂のボリュームが異なってきます。
ゾーン別のチェックポイント
Tゾーン
額と鼻は顔の中でも皮脂の分泌がアクティブで、ニキピもできやすい所です。
脂っぽくなっていないか、鼻の毛穴が目立っていないかをチェック。皮脂のたまりやすい小鼻も忘れることなくチェック。
こめかみ
見落としがちなポイントも、力サついていないか、脂っぽくないかチェック。
アイゾーン
顔の中でも最も表皮が薄く、皮脂の分泌量もあまりなくて乾燥しがちなポイント。シワっぽくないか、ハリがあるか、カサカサしてないか、むくんでいないかといったことをチェック。
頬
皮脂も汗も少なく乾燥しがちで、思わずこすりやすい場所。カサついていないか、ハリがあるか、黒っぽくなった部分がないかをチェック。
口まわり
皮脂の分泌が少なくて、乾燥しがち。
唇がカサついていないか、口もとが力サついていないかチェック。
あご
意外に皮脂の分泌が多く、20代以降の大人ニキピのできやすいゾーン。脂っぽくないかチェック。
肌質は刻々と移り変わる!常日頃のチェックが柔軟性のあるケアを可能にする
朝の肌の状態が一日中持続するわけじゃない
肌の状態は、顔のゾーンによって異なるばかりでなく、いくつもの要因に伴って変化します。1日という短いサイクルだったとしても、朝、昼、夜では、肌のタイプは一定だとは限りません。
一日の内に少なくとも3回は、1分ほど時間をかけて、鏡を見て肌の状態を見ておきましょう。
朝、目が覚めたときと洗顔後、しばらく時間が経過した日中のメイク直しをするとき、1日のメイクの疲労が発生しやすい夜では、それぞれに肌のようすが違うはずです。自分の目で肌の状態をチェックして、それに合わせてマッチするケアを行いましょう。
また、身体の調子やメンタル的傾向などによっても、肌の状態は微妙に変わっていきます。疲れや強いストレスは、瞬間的に皮脂の分泌を活発にしたり、合わせて水分量が減ってしまうことが見受けられます。
こういった際の肌は、脂がういているにも拘らずカサつきが生じる、更にはくすんだように感じるといったみたいになりかねません
十分に睡眠が確保できなかった朝方や、身体の調子が芳しくはない日などに、顔色がよくない、メイクがのりにくいと言われているのはそれが原因なのです。
季節に影響されて肌のコンディションも違ってくる
気候や季節の移り変わりといった環境の変化も、肌に影響を及ぼします。とくに、季節の変わり目には、短期間に温度や湿度が激しく変化します。肌がそういった変化に順応しきれないと、一時的に過敏になって、ふだんの化粧品でトラブルが生じたりすることもあります。
原則的に、夏の期間は気温が高いため皮脂や汗の分泌が多くなり、肌は脂っぽくなり、その反対に冬は、空気の乾燥と皮脂の分泌量が少なくなることで、肌が乾きがちに変化します。しかし近年では、暖房で暑いくらいの部屋の中にいる場合などは、冬でも皮脂でテカテカしている肌になってしまうことも見受けられます。
年齢も、肌質を変化させる要因のひとつです。皮脂の分泌は、思春期から20歳くらいの時期にダントツに多くなります。そのため、この年頃にはニキビができやすく、化粧くずれもしやすいのです。その後は年齢にしたがって分泌が減少され、肌の水分量も少なくなって行きます。
こまめなチェックで基本的肌質、部分的な肌質を把握する
外的要因で変化しやすい肌を美しくキープするためには、そのときどきに応じてスキンケアも変えなければなりません。そのためには、日々のこまめなチェックで、自分自身の基本的な肌の質や、部分的な肌の質を認識しておくことが重要です。
そして、知っておかなければならないのが、肌のタイプは人ぞれぞれ異なるということです。CMや雑誌の記事をたよりに、夏になったから夏用のコスメ、30歳、40歳になったからと、エイジングコスメを使うというのはオススメできません。
乾燥肌の人がいきなり夏向けのコスメを使用すると、乾燥がこれまで以上に進行したり、40代でもオイリースキンであれば、エイジングコスメではリッチすぎることもあるでしょう。あなた自身の肌は今どうなっているのか、自分の目で確認しましょう。